クラウドファンディングは資金を広く募るための方法のひとつとして広く採用されていますが、これはどのような場合でも成功できるというわけではありません。確かに通常のように銀行や大企業に対して融資の相談をするのとは別のアプローチで資金を募ることができるとはいえ、クラウドファンディングで成功したプロジェクトでは常に「消費者にとって魅力があるかどうか」というポイントが重要視されます。そうした消費者に対して魅力を伝えるというところで大切になるのが、二つのポイントなのです。まず一つがストレッチゴールです。

これはゴール、つまり目標額をいくつか設置することによって投資への意欲をかきたてるという手法になっています。例えば本来10万ドルが集まればソフトウェアを販売できるという場合、15万ドルを達成したのであればそれにさらに便利な機能を追加するといったようなものが挙げられます。こうしたストレッチゴールが設けられているとコンテンツを応援している人は「より優れたコンテンツになるならば」として投資をしてくれるようになりますから、本来の必要額の200%、300%といったような資金集めも可能になります。次にクラウドファンディングにおいて重要視されるのがリワードの存在です。

リワードとは報酬のことで、先ほどのストレッチゴールが投資者全員で協力するものであるとすれば、リワードは特定の投資者に対して与えられるものということになります。例えば10ドルを投資してくれた人にはソフトウェアを無償で渡すだけで、20ドルの場合はそれに加えて実際のパッケージ版を渡す、50ドルの場合はそのパッケージ版に加えてブックレットを添付するなどの形で、投資額に応じた豪華な報酬を用意するのです。これは特にゲームやアニメなどで好まれている手法で、10000ドルなどの高額投資でもリワード目的で投資する人を募ることができるようになります。