経営者が行う仕事の中で最も大事なことは、資金繰りではないでしょうか。会社はお金がないと動かないものですから、資金繰りが悪化すれば倒産の憂き目にあう確率が高くなります。そうなれば社員も路頭に迷うことになるので、その状況をいかにして回避するかが経営者には問われているのです。事業計画を洗練させて、銀行を始めとする金融機関から融資を引き出すことを資金繰りと言いますが、これにはいわゆる営業力というものが関係してきます。

相手に自分たちの会社の価値を伝えることが、経営者には大きく求められているのです。こういった背景もあって、営業部門から出世した人が社長になるケースが多いわけです。また、赤字を減らすためにリストラを行ったり、不採算部門の切り捨てを行うなどの改革も経営者の重大な仕事の一つとなります。売上はそう簡単には上がりませんが、無駄な経費を削減することは比較的簡単にできます。

ですから、まずは無駄がなくなるように会社をシェイプアップさせる経営者が多いです。不況下ではこの資金繰りがうまく行かずに、中小企業は多くがなくなっていきました。いざというときにも困らないよう、事前に資産を確保しておくことも大切です。企業の内部留保が歴史上類を見ないほどに高額化しているのには、こうした背景があります。

誰もがいざというときに困らないよう準備をしているのです。しかし、そのためにお金が世の中に回らずに不況が進んでいる面も否定はできません。