前もって準備された様々な設備や人材、それを活動させる資金や、原材料を仕入れるための資金を投入して操業を行い、投入した資金以上の売上を得ることによって利益を生み出すのが、企業の営業活動です。当然、月によって売上にばらつきも有り、また、必要となる資金も変動することから、毎月同じ資金を回転させて営業活動を行っている企業も殆ど存在しません。繁忙期には、多くの売上を見込めるものの、それだけ多くの経費が必要となる、また、営業活動が低調な時には経費が増加することは無いものの、その分売上も減少してしまうのですから当然と言えば当然の結果といえるでしょう。そんな、毎月変動する支払いを見越して行われるのが資金繰りです。

多くの売り上げを計上し、多くの利益を得た時に、その余剰資金の全てを使い切ってしまうのではなく、後に起こり得る支払いの金額を見越して資金を社内に留保することによって企業の活動を滞りなく行うためにはこの資金繰りが非常に重要なものとなってくるのです。ある一定の期間を通じてなら充分過ぎるほどの利益を生み出していたとしても、しっかりと計算された資金繰りが行われていなければ、支払いの際には社内に支払うだけの余力、つまり現金が存在しない事も起こり得るわけで、そのような事態に陥ってしまえば、最悪の場合その企業は黒字倒産という可能性も有るのです。このことからも判るように、企業の健全な営業活動とは、収支を見越した営業活動と共に、しっかりと計算された資金繰りが支えているのです。