資金繰りとは、経営に必要なキャッシュを確保することを指します。「勘定合って銭足らず」という言葉があります。これは、帳簿上の勘定があっているのにキャッシュが足りない状態を指します。勘定が合うというのは、帳簿上で利益が出ている状態を指します。

帳簿上では売り上げが経費を超えていて黒字になっていたとしても、キャッシュが足りなくなることもあります。その理由は簡単で、利益を計算するときの資産は現預金以外のものもあるからです。たとえば、売掛債権は資産として計上されます。ですから、売掛債権が100万円あるという状態であれば、帳簿上は現預金が100万円あるのと同じように資産に加えられます。

しかし、実際に支払いをしなければならないときに、売上債権を譲渡するわけにはいかないでしょう。現金で支払うのが基本となりますから、その時に現預金がないと資金繰りに困ってしまうわけです。企業にとって存続するためにはキャッシュの確保は非常に大変なことだといえるでしょう。帳簿上では利益が出ていたとしても、キャッシュが不足していて支払いができないという状況が続くと、会社として存続できなくなります。

これがいわゆる黒字倒産です。このようなことになる可能性がありますから、資金繰りは特にしっかりとしていかなければならないという点に注意が必要です。売掛債権などがあって、将来的に資金を確保できることがほぼ確実であれば、融資を受けるなどの方法で資金繰りが改善します。